5/26より毎週日曜日、八尾市の松下ファームさんにお邪魔して、お米作りを手伝いながら教わっています。
5/26は田んぼの耕運、6/2は代掻き、そして今日6/9は田植えでした。
田植えはもちろん、田植え機に乗って機械が植えていくだけなので、非常に簡単で楽な作業です。

井関農機「サナエ」に乗って田植えを行う。4条植え。
昔は手植えで田植えをやってた事を思うと、機械化のおかげで随分楽な作業になってしまったものですね。
ところが実は今日、田植え以外に肥料を撒くという作業があるということが当日に判明。
そしてその作業がかなり過酷で辛い作業だということを、後で思い知ることに。
松下さんが、「今日は重労働ですよー」って始まる前に言ってたな。
田植えを機械でやるだけなのにと思ってたのに、肥料撒きやってみて「重労働」の意味が痛いほど分かった・・・。
もはや田植えなんてどうでもいいくらいの重労働。
先ず、松下さんが肥料を撒くお手本を見せてくれました。
20kgの肥料を背負って田んぼに撒いていく。

赤いリュックのような袋に20kgの肥料を入れる
一見、そんなに重労働に見えない作業。
松下さんもスイスイ撒いていたので、すぐに終わりそうに感じましたが。

筒状の先端から重力に従って肥料が落ちてくる仕組み
いざ肥料を背負って田んぼに入ってみると、泥に足がハマって次の一歩が全く出ない。
ハマった長靴から足が抜けてしまう。
当然ハマる事は予想してたし、多少の経験もあったのに、全然ムリ。
一歩進むのに、最低10秒くらいはかかってるし。
20kgがここまで重く感じるのは初めて。
なんとかかんとか、一往復してみたけど、時間かかりまくってるし。
しかも途中でバランス崩れて2回コケて、その度に袋から肥料がドバドバ漏れ出すし。
これヤバイやつやん!
仮に一歩に10秒かかってるとして、幅20m長さ50mの1反の田んぼはどれくらい時間が必要か?
肥料の撒く範囲は左右で2mくらいの範囲なので往復4m肥料を撒ける。
ということは5往復することになる。
片道50mの往復は100m、を5往復で500m。
歩幅は50cmくらいだから、500mは1000歩。一歩10秒だから1000歩は10,000秒。
を60秒で割ると、約167分=2時間47分かかることになる。
これが6箇所なので、16時間42分必要。
アカンアカン、家に帰るのが真夜中になってまうやん。
せめて3倍くらいの一歩3.6秒=60分で1枚の田んぼを終わらせないと、全然ダメじゃん。
メインの田植えが出来なくなってしまう。
そこで速く歩く為に試行錯誤してみた。
アイデアその1。
田んぼに足が着地する前に、次の一歩を踏み出す。
を連続させる。
そうすると、空中を歩くことになる。
そういえば、松下さんの足も田んぼの上10cmくらい浮いてたような。
って、アホな事考えてる余裕無し。
アイデアその1(改)。
出来るだけ田んぼに着地する足の面積を大きくして、沈み込むのを防ぐ。
雪の上を歩く道具のスノーシューのイメージ。
そして足を引き上げるときに垂直に抜く。
で、実際やってみると全然ムリ。
どうやってもやっぱり足はズボっと沈み込む。
さらに足裏全体が真空状態で、泥の底面とピッタリくっついて離れない。
足の上には流動的な泥が流れ込み、重さが増す。
というような状態。
そこから抜け出すには、かかとを上げて、空気を入れて、パワーで足を引き上げないといけない。
これはかなりしんどい。
3ヶ所目の途中まではずっとこんな状態で撒くことになりました。
アイデアその2。
その1の全く逆で、足の着地面積を最小化して、抜きやすくする。
ということは、つま先立ちの状態をずっと続けることになる。
これもかなりキツいはず。
ところがやってみると、案外スイスイ行けた。
つま先立ちはしんどいので、意識的に前傾姿勢になりながらやってみる。
前のめりになるので、常に転倒のリスクを抱えるが、前のめりだからこそ、コケまいとして次の一歩が出やすくなるという副次的な効果があるとわかる。
結果的にこのアイデアがヒットし、3枚目の途中から最後まで前傾姿勢のつま先歩きを意識することで、3.6秒を達成できたように思う。

簡単そうに見えるんだけど、めっちゃしんどい!
と、長々と説明しましたが、要は”田んぼは長靴履いて簡単には歩けるもんじゃないぞ”っていうような話し。
一般人には全く役にたたない情報。
さらに言うなら、かなりフィットしたきつめの軽い長靴を履くべし。
メーカーはアキレスで。
イラネー、その情報。
単に田んぼを歩いてる農家のオヤジも、実は偉大なのです。