「やりたいことをやれ!」は聞き飽きた

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「今を生きる」と同じくらい、

あるいはそれ以上によく聞く言葉、

「やりたいことをやれ!」は、

もう聞き飽きました。

 

この言葉、

やりたいことが明確にある方で、

既にやりたいことをやってる方には、

必要がない言葉です。

 

が、

やりたいことは明確にあるのだけど、

なんらかの事情でできない方。

に対して背中を押す意味で、

「やりたいことをやれ!」は、

非常に有効だと思います。

 

ただし、

背中を押すだけ押して、

失敗した時の責任を、

取る訳ではないので、

無責任にもなりますが。

 

そして悲しいことに、

やりたいことが何なのかわからない方が、

実は意外と多いというこの社会。

 

この人たちに、

「やりたいことをやれ!」と言っても、

なかなか届きません。

だって、

やりたいことが無いのだから。

 

「やりたいことをやれ!」という、

メッセージを発信する方は、

大体が、

うまくいった、

成功した、

って人たちです。

 

この人たちは元々、

やりたいことが明確にあって、

それを勇気を出して実行したから、

うまくいったという経験を持ち、

その目線から発言しています。

 

逆に、

やりたいことが無い方が、

何もすることもなく漫然と生きて、

「何もするな!」

というメッセージは発信しません。

 

つまり、

メッセージとしての、

「やりたいことをやれ!」は、

一方的に飽和状態で、

そこから、

強迫観念じみたメッセージへと

変貌しつつあります。

 

やりたいことをやれない人間は、

臆病でダメで無気力な人間だ、

と言わんばかりの。

 

または、

そう言われない為にも、

他人のやりたいことに乗っかって、

「やりたいことをやっている」つもり、

になって満足していることもあります。

 

でも別にやりたいことなんて、

無くたって全然いいのです。

無くて当然。

無くても立派に生きられます。

無いからあるまでの幅は、

相当に広く、

十人十色といったところです。

 

ただ、

人間とは常に変化し続けるものです。

今は無くても、

今後はあるかもしれない。

 

そこで、

大切にしたほうがいいと思うことは、

「やりたいこと」ではなく、

「やってみたいこと」。

この2つの日本語は似ていますが、

ニュアンスは明らかに違います。

 

英語でいうと、

want to(やりたいこと)

try to(やってみたいこと)

です。

 

try to は、

思い付きでも何でもいいから、

やってみようかなと思ったことを、

すぐさま実行する。

興味が無くなったらすぐ止める。

のスタイルで充分。

 

このすぐ止める、

というところが肝心。

他人の目を気にして、

やり続けなくちゃならない

とか、

成功するまで諦めるな

とかは無視。

止めたら次、

止めたら次、

です。

 

これを繰り返す。

繰り返した結果、

ひょっとしたら try to から、

want to が見つかるかもしれません。

 

want to が見つかったら、

勇気を出して実行する、

か、

しないかは本人次第。

 

その繰り返しのプロセスを飛ばして、

試してみてもいない、

やってみても無いことが、

いきなり、

やりたいことになることなんて

無いでしょう。

有ったら天命です。

 

実際にやりたいことを実行している人も、

このプロセスを経てきているにも係わらず、

他人へのアドバイスになると、

「やりたいことをやれ!」です。

 

だから、

「やりたいことをやる」前段階として、

「やってみたいことをやる」

ことが必要となります。

 

ところが、

その「やってみたいこと」を

たくさん試せる若い時期に、

人々は就職をしてしまいます。

一旦社会人として働きだすと、

大幅に時間が奪われます。

さらに仕事以外のことをする

気力も奪われます。

 

この状態で、

「やってみたいこと」がある人は、

自分に言い訳をします。

「仕事をしながら出来る訳がない」と。

「それよりも休みたい」と。

 

そうやって、

「やってみたいこと」ですら、

ひとつひとつ、

自分自身で殺していきます。

 

結婚、

子供、

ローンなどなど、

言い訳なんて山ほどあります。

 

そうして、

「やりたいこと」の前段階である、

「やってみたいこと」が、

壊滅状態になってしまい、

「やりたいことは何なのかわからない」

という状況になってしまう。

 

そんな人たちに、

「やりたいことをやれ!」は、

無意味です。

 

だから、

「やりたいこと」よりも、

「やってみたいこと」、

に意識を傾け、

簡単なことから少しでも

実行できるように、

背中を押してあげるのです。

 

「どんな些細な事でも構わないから、

ちょっとした思い付きでもいいから、

興味を持ったことを少しずつ形にしませんか?

無理だったらすぐに止めていいから」

と。

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